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13日の金曜日を明日に控え、うだつのあがらないサラリーマンで賑わう夕方のドトール、禁煙席に座った僕は、13の呪いだか不幸だかを一身に背負っていると感じていた。そう感じ始めたのは些細な出来事がきっかけだ。今朝のことだ。僕がバス停の前に差し掛かると女子高生の一団が、獲物を見付けた猛禽のように全身の筋肉をびくっと動かし、群れとして一斉に携帯をいじり始めた。僕は三十年を越える経験から、彼女たちが僕と接触したがっていると直感する。愛は歳の差を超える。少女に天空の城での同棲を迫ったムスカ様のように。 「今時の女の子は赤外線で連絡先を伝えるのよ」。いきつけの店の指名ナンバー6キャバ嬢マイ(アゴ勇似)の話を思い出し、僕は携帯の赤外線受信機能を甦らせ、ふたたび何気なく女子高生の前を横切った。携帯を確認。メールアドレス、番号、あるはずの情報は何ひとつなかった。おかしい、なぜだ。悲劇だ。純情を弄ばれた。それとも
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