「少女革命ウテナ」が本当に好きだ。ウテナは消えてしまったけれど、アンシーという一人の少女の内面を「革命」し、そしてアンシーは「箱庭」たる鳳学園から足を踏み出し、歩き始める。 彼女達を利用していた(つもり)の「大人」である鳳暁生は、何もわからないまま鳳学園に置いていかれる。小杉十郎太の「良い男」以外の何物でもない声が、逆転して愚かに聞こえる。 しかしその美しすぎるラストシーンは、ほんの少しの苦さを残す。ウテナと決闘をした生徒会のメンバー。彼らがウテナを覚えているかどうかは明らかにされない。彼らの内面や人間関係には他人から見れば小さいけれど大きな変化が起こっているが、彼らはまだ鳳学園の中にいる。 鳳学園は「卵の殻の中」。鳳学園の中にいる彼らは、アンシーのように出ていくかもしれないし、暁生のように鳳学園から出ずに大人になってしまうかもしれない。まだ彼らは定まっていない。 少女革命ウテナ 絶対進化