筑波大学は7月30日、多細胞集団の運動において「ソリトン現象」が存在することが発見されたと発表した。 成果は、筑波大 生命環境系の桑山秀一准教授らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、英国時間7月29日付けで英オンライン総合学術誌「Scientific Reports」に掲載された。 ソリトン波とは、衝突しても互いに波形が変わらずに通り抜ける不思議な性質を持つ孤立した波のことで、さまざまな非線型現象として現れることがわかっている。例えば、水深の浅い水面で生じる波の中には、孤立した状態で塊となって速度と波の形状を変えることなく遠くまで伝わるものが見られるという具合だ(19世紀に、浅い水路を進むボートの舳先から発生する波の観察によって発見された)。 また、そのような孤立波は、別の孤立波を追い抜いてもそれぞれの振幅、速度が変化しない。このような粒子的な性質を持つ波はソリトン波と呼ばれ、19