情報通信研究機構(NICT)などは、量子通信を長距離化する新しい「中継増幅技術」の実証に成功したと発表した。NICTは「量子暗号の長距離化や量子通信の実現に大きな突破口を与えるもの」としている。 情報通信研究機構(NICT)は2013年5月13日、ソウル国立大学と共同で量子通信を長距離化する新しい「中継増幅技術」の実証に成功したと発表した。受信側にあらかじめ大きな振幅を持つ「量子重ね合わせ状態」という特殊な光を用意し、その光に送りたい光信号の情報を転写する技術で、量子暗号の長距離化や量子コンピュータの回路の構築にも使えるという。 量子通信は、量子コンピュータを用いた新しい受信方式である量子デコーダを使い、現在より桁違いに小さな送信電力で大容量通信を実現する技術である。量子通信では、盗聴不可能な暗号通信「量子暗号」なども可能になる。しかし、信号の量子力学的性質は、回線内の損失や雑音によりすぐ