出版科学研究所は2月26日、2017年(1月~12月累計)のコミック(単行本+雑誌)市場の推定売り上げが前年比2.8%減の4330億円と落ち込むなか、コミックス(単行本)市場では電子が紙の売り上げを初めて上回ったと発表した。比率は電子が50.7%、紙は49.3%で僅差だった。 17年のコミックス市場は、前年比0.9%減の3377億円でわずかに下落。紙は同14.4%減の1666億円と初の2ケタ減だった一方で、電子は同17.2%増の1711億円と成長した。紙のコミックスが過去最大に落ち込んだ要因には、市場を支えてきたビッグタイトルの完結や部数規模の縮小、読書手段が紙から電子への移行などがあげられる。 電子コミックスは、無料や値引きなどのキャンペーンによって、完結した過去作品を中心に売れ行きが拡大。エロ・グロ要素の強い青年向けの作品、BLやTLジャンルの作品など、もともと電子で占有率の高いジャン