山陽新幹線の車内販売が変わりつつある。コンビニや売店からの持ち込みで売り上げが減っていたが、3年前からテコ入れを始めた。飲食物だけでなく物販に重点を置き、沿線の特産品を使った新ブランドを展開。売り上げは2年半で約1億円にのぼる。 新大阪発鹿児島中央行き「さくら」の指定席車両。パーサーの重元麻桃香(まどか)さん(28)が、100キロ以上あるワゴンを押していた。幅66センチの通路をジグザグに進む。「こうすることで、お客様の正面にワゴンが迫っている感じになります」。商品を目立たせ、売り上げ増につなげる工夫だ。 山陽新幹線の車内販売は2008年度の23億5700万円をピークに売り上げが急落し、10年度までの2年で1割減った。理由は「駅ナカ」の充実。駅構内の店舗数が増え、弁当や飲み物を乗車前に買う人が多くなったことだ。