【ニューヨーク=村山誠】北朝鮮に対する制裁決議の履行状況を監視する国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会・専門家パネルは、北朝鮮が物品を海上で移し替える「瀬取り」を繰り返し、今年4月には決議で定めた年50万バレルの上限を超える石油精製品を密輸したとする中間報告書をまとめた。国連外交筋が明らかにした。 報告書はまた、北朝鮮が2015年以降に少なくとも計35回、17か国の暗号資産(仮想通貨)の交換業者や金融機関をサイバー攻撃し、最大20億ドル(約2120億円)を盗んだと指摘し、大量破壊兵器の開発資金などに使われた可能性に言及した。 報告書は、大量破壊兵器について、「短距離」とはいえ、制裁決議で禁じる弾道ミサイルの発射が続いているとして、「核・ミサイル計画を強化し続けている」と問題視した。 報告書は、制裁委員会での議論を経て9月上旬に公表される予定だ。