10年ほど前、何度負けても一生懸命走る姿が人々の共感を呼び、全国的なアイドルになった牝馬がいた。 高知競馬のハルウララである。 一般のニュースでもとり上げられ、応援ツアーが組まれたり、本やCDが出たり、映画にもなったりと、「ハルウララ現象」が起きたと言っていいほどのフィーバーぶりだった。 引退後しばらく消息がわからなくなっていたのだが、一昨年の12月から千葉県御宿町の牧場で余生を過ごしているという。 オグリキャップやディープインパクトとは別の意味で注目され、多くの人々に愛されたアイドルホースは、今、どんな日々を過ごしているのだろうか。 90連敗したころ、ハルウララブームがはじまる。 ハルウララは今年18歳。父ニッポーテイオー、母の父ラッキーソブリンという血統で、現役時代は高知の宗石大厩舎に所属していた。 1998年にデビューしたこの馬がさまざまなメディアで紹介されるようになったのは、200