●2010年8月25日水曜日(20日目) 企画書(めいたもの)を携えて、原作の出版社に赴く。 丸山さんが所用で来られず、自分1人で、対応いただいた方々に趣旨を説明する。あしらわれたり蹴り出されたりすることがなかっただけでもほっとするのだが、和やかに相手していただいて安らぐ。 「今、ちょうど広島の廿日市でこの原作の原画展が開かれてるんですよね」 という話になる。8月5日から29日がその会期なのだが、広島は遠い。 ●2010年8月26日木曜日(21日目) 今回の作品が無事に成立するとして、その主な舞台は広島県呉市になる。呉は海軍の軍港があった町で、それゆえくりかえし空襲に見舞われている。この仕事ではそうしたことも描くことになるはずだ。 空襲、ということではかなり以前、虫プロダクションの映画『うしろの正面だあれ』(有原誠治監督)にスタッフとして携わったことがある。このときは全カット数の9割がたの