ニューヨークのメトロポリタン美術館は、サザビーズのバイス・チェアマンを務めるルシアン・シモンズを、新たに創設された出所調査部門の責任者に任命した。 シモンズは、サザビーズで作品の略奪文化財の返還と調査に1997年から取り組み、この問題を専門的に扱うチームを社内で立ち上げた経験を持つ。現在は返還部門の責任者を務めており、印象派・近代美術部門のシニア・スペシャリストでもある。シモンズは5月から新たな役職に着任する予定だ。 メトロポリタン美術館は現在、150万点に及ぶ収蔵品の出所の精査が求められている。今回この役職が新設された経緯には、2022年だけで6件の押収が行われ、マンハッタン地方検事局がギリシャ、イタリア、エジプトで制作された総額110万ドル(約1億6630万円)の古美術品が押収された背景がある。同検事局はまた、トルコの遺跡から不正に持ち出された2500万ドル(約37億8000万円)のロ
