近年良質な都市音楽を生み出すアルゼンチンの首都ブエノス・アイレスから現れた女性シンガーソングライター、ソフィア・エスカルドのデビュー作。アルゼンチン・オーガニック・サウンドのミュージシャンとして知られるダリオ・リポヴィッチの夫人でもあるこのソフィアが、とにかく素晴らしい。 零れ落ちるようなクラシカルなピアノと弦楽アンサンブルによる朴訥とした演奏をバックに歌声を重ねていく冒頭曲"odiseas"で古き良き時代へとタイム・トリップ。飛び跳ねるようなワルツ"vals de salon"では弦楽アンサンブルにエレキ・ギター、バス・クラリネット、そして自らのアコーディオンも絡み合う。温かみのあるヴォーカルを全面にフィーチャアしたレナード・コーエンのカバー"Who By Fire"、裏打ちのリズムのイントロと酒場にいるような元気なアレンジが一気に気分を高揚させる"Sentimientos"、メランコリ