『マネーの魔術史』で述べているように、金融緩和や財政赤字拡大は、これまでも、さまざまな場合に行なわれてきました。 現在でも、そうした政策を正当化しようとする理論が提唱されています。以下では、そうしたものを概観することにしましょう。 ◇FTPLの概要 そうした理論の一つに、プリンストン大学クリストファー・シムズ教授が提唱する「物価水準の財政理論」(FTPL)がある。ここでは、将来に向って財政再建を放棄することによって、現在のインフレ率を高めることが目的とされている。 FTPLは、いま初めて登場した理論ではなく、1990年代から議論されていた。これに関しては多くの専門論文があるが、シムズが2014年8月に行った Inflation, Inflation Fears, and Public Debtという講演が一番分かりやすい。 その基本は、「名目国債残高を、現在の物価で割った値が、将来にわたる
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く