ヒュートマスのヒトラー殺害説を否定する証拠の提示はない。拳銃自殺なら、壁などに血痕が残る。ところが椅子とベッドに流れた血痕があるだけ。口内からアンプルのガラスが出たが体内から毒物の跡が発見されない。ゲッベルスの子どもたちは内臓から毒物の痕跡を確認したにもかかわらず。トマスのような無根拠な奇説、修正説が新説として大手を振って罷り通りかねない危険も示されたわけで、そのようなものに踊らされない判断力が、ことに若い人に求められている。のだそうだ。だから若い人はトマスの本を実際に読んで判断してほしい。この本を読み通したが、私にとっては時間の無駄だった。これだけの量でもカットされた証言も多い。矛盾する証言を追求して真実にたどり着いたということもない。