「17歳の肖像」 勝気で有能な若者が苦い挫折を味わい、再起をかけて最後の戦いに挑む……ってこれジャッキー映画じゃないですか!(若者が見限るのが“学校”で、学校では教えてくれないことを教えてくれる“導師”を慕うが、彼の暗部を垣間見て最後には対峙するはめになる、という構造上の共通点も多数あり) 異なる点を挙げるなら、見限るのは拳法を学ぶ寺院ではなくロンドン郊外の高校で、導師は30代の男性で、主人公はジャッキー・チェンではなく17歳の女子高生であるということ。 つまりは普遍的でありながら、時代設定(61年という所謂“スウィンギン”前夜)であったり、人物設定:「年上の彼が何やら胡散臭い仕事に関わっている臭い」であったり、そうした要素で軸を少しづつずらして語られる物語は、ある種の新鮮味をもたらすこととなる。主人公である語り部:ジェニーを演じるキャリー・マリガンしかり、彼女を新たな世界へ誘うピーター・