【読売新聞】 まず配備ありきで、活用方法の検討は二の次というのなら、見切り発車と言わざるを得ない。 政府が2023年度までに、全国の小中学校で1人につき1台のパソコン(PC)などの情報端末を配備する方針を決めた。「3人に1台」の配
筑波大(茨城県つくば市)が、2018年11月以降に実施した医学群医学類の推薦入試や一般入試で、身長と体重を受験生に書かせていたことがわかった。適性試験で実施した、短文を記述させて性格などをみるSCTと呼ばれる心理テストの設問にあった。同学類は、学科試験や面接と組み合わせて合否判定に使っている。 筑波大は「出版されたものをそのまま利用しており、様式を崩すと試験の妥当性が損なわれる可能性がある」と説明。これに対し、SCTの普及を図っている日本SCT学会長の伊藤隆一・法政大教授(心理学)は「身長、体重を聞かなくても活用は可能なうえ、大学入試を想定した技法ではない。当惑している」と語った。 文部科学省の担当者は「合否判定に使わないことを入試で尋ねるのは不適切。合理的な理由があるのならば、大学はきちんと説明すべきだ」と述べた。
JR北海道は、北海道新幹線(新青森―新函館北斗間)の青函トンネル(全長約54キロ・メートル)について、年内に最高速度を現在より50キロ引き上げて時速210キロで走行する方針を固めた。同社は2030年度末の札幌までの延伸を見据えて「東京―札幌間4時間半」を目標に掲げており、実現に向けた一歩となる。 国土交通省によると、北海道新幹線の設計上の最高速度は時速260キロ。新幹線は通常、主な区間を200キロ以上で走るが、青函トンネルではすれ違う際の風圧で貨物列車が荷崩れを起こす恐れがあるとして160キロに抑えている。 19年9月から行ったトンネルでの高速走行試験で大きな問題は確認されず、最高速度の引き上げが決まった。トンネルの通過は3分短縮される。システム改修が今年の夏過ぎまでかかるため、貨物が少ない年末年始に時間帯を限定して運転する見通し。21年以降、期間や時間帯を拡大する。 現状のまま札幌延伸が
メスがオスの求愛をいったん拒否した後、受け入れて交尾する脳の仕組みをショウジョウバエの実験で明らかにしたと、名古屋大のチームが発表した。哺乳類にも似た構造があり、人の愛情や絆が生まれる仕組みの解明につながる可能性があるという。論文が2日付の米科学誌「カレント・バイオロジー」に掲載された。 求愛行動を取る動物の多くは、オスが求愛を繰り返すことでメスが受け入れる。しかし、この行動を制御する脳の仕組みはよくわかっていなかった。 名古屋大の上川内(かみこうち)あづさ教授と石元広志特任講師は、メスのショウジョウバエの脳で、オスの求愛を拒否する行動を促す神経細胞(拒否ニューロン)と拒否行動を弱める神経細胞(受容ニューロン)を発見、これらの働きを詳しく調べた。 オスが羽をふるわせるなどして求愛すると、メスの脳では拒否ニューロンが活性化。メスは逃げたり、オスを足で払いのけたりした。 一方で、拒否ニューロン
女子生徒が髪を結ぶ位置を定めた校則(浜松TG研究会提供) 浜松市立中学校全48校のうち、10校に下着を白色などに規定する校則のあることが浜松市のトランスジェンダー(TG・心と体の性の不一致を感じている人)当事者らで作る「浜松TG研究会」の調査で分かった。女子生徒のポニーテール禁止を定めた校則もあり、会のメンバーらは「人権侵害だ」と批判している。 研究会代表で同市天竜区の鈴木げんさん(45)が9~11月に情報公開請求などで行った調査の結果を発表した。それによると、市内全48校で制服、30校で頭髪をそれぞれ男女別に厳格に規定していた。 具体的には、女子生徒が髪の毛を縛る高さを耳の下にすることを定める校則が6校あった。女優・斉藤由貴さんのかつてのドラマ「スケバン刑事(デカ)」などで注目を集めたポニーテールの禁止を意味する。ヘアピン留めを不可とする校則が1校にあった。 女子に対し厳しい規定を設けた
長崎市青山町の住宅団地内を通る私道を所有する福岡県内の不動産管理業者が道路の一部を封鎖し、住民側が通行妨害禁止などを求めた仮処分申請で、長崎地裁は14日、業者に対し通行妨害の禁止と道路を封鎖しているバリケードの撤去を命じる決定を出した。 申立人は団地の住民ら7人。業者側は3月、市に私道の譲渡を申し出たが、「自費でガードレールを設置する必要がある」などと言われて断念し、住民に歩いて通る場合は1世帯月3000円、車では月1万円程度の通行料を要求した。住民側に支払いを拒否され、10月2日からバリケードで道路の一部を封鎖。さらに別の場所でも封鎖を検討していた。 車輪が付いたかごで団地内のごみを集める市職員(11日、長崎市で)=中尾健撮影 住民が自宅とは別の場所に駐車場を借りたり、一部のタクシー会社が団地内への乗り入れをやめたりと生活への影響が出ていた。市もごみ収集の際、職員が車輪付きのかごを引っ張
乳児と見られる遺体が見つかった現場近くを調べる捜査員ら(8日午前11時38分、東京都港区で)=吉川綾美撮影 8日午前10時45分頃、東京都港区東新橋の区立イタリア公園で、「遺体のようなものが埋まっている」と110番があった。警察官が駆けつけたところ、乳児とみられる遺体が土中に埋まっており、警視庁愛宕署が、死体遺棄事件として捜査を始めた。 愛宕署幹部によると、遺体は頭部や上半身の一部が地上に出ている状態だった。生後間もない乳児とみられるが、性別や外傷の有無はわかっていない。同署が身元や周辺の防犯カメラの確認を進めている。 現場は都営大江戸線汐留駅の南約400メートルの高層ビルやタワーマンション、ホテルなどが林立する一角。公園には彫像やベンチが設けられ、周辺に勤務する会社員や住人らが多く訪れる。
米ハワイ諸島付近で見つかった旧日本軍の空母「加賀」=7日、AP 【ロサンゼルス=久保庭総一郎】第2次世界大戦のミッドウェー海戦で沈没した旧日本軍の空母「加賀」が、米ハワイ諸島付近の水深約5400メートルの海底で見つかった。AP通信が18日に伝えた。 加賀は1941年12月の真珠湾攻撃に参加した当時の主力艦船の一つで、42年6月のミッドウェー海戦で、米軍の急降下爆撃を受けるなどして沈没した。残骸の一部は99年に発見されていた。 米マイクロソフト共同創業者だった故ポール・アレン氏の財団の調査チームが数週間かけて深海探査を行い、海洋保護区の海底で発見した。 ミッドウェー海戦を巡っては、旧日本軍により撃沈された米空母ヨークタウンが98年に見つかっていた。
【随時更新】「過去最強クラスの台風19号」はこちら 12日夜に多摩川が氾濫した東京都世田谷区玉川には、下流部で唯一、堤防が整備されていない区間があった。 国土交通省によると、12日は多摩川の水位が刻々と上昇し、午後10時10分頃には堤防未整備の区間(約540メートル)から濁流があふれたことが確認された。川と市街地の境界となっている道路も越え、二子玉川駅周辺の広い範囲が浸水した。 東京都世田谷区玉川では市街地が水につかった(12日午後9時38分) この地域を巡っては、2007年の台風9号で2000袋以上の土のうを積んで浸水を防いだケースもあった。同省京浜河川事務所はこれまで、「大雨が降ると多摩川では最初に浸水する」などと周辺住民に説明。堤防整備計画を進めようと説明会なども度々行ってきたが、「景観を大切にしてほしい」「家をのぞき見られる恐れがある」といった声が根強く、同意を得られていなかった。
児童相談所からの通報で駆けつけた警察官に暴行し、拳銃を奪おうとしたなどとして、茨城県警水戸署は9日、水戸市大工町、無職の女(27)、両親、弟2人の計5人を公務執行妨害容疑で逮捕した。 発表によると、5人は6日午後9時15分頃、水戸市内にある県中央児童相談所の敷地内で、同署の男性巡査(32)と男性巡査部長(30)の胸ぐらをつかむなどし、職務の執行を妨害した疑い。女は巡査の背後からホルスターの拳銃を抜き取ったが、巡査部長が直後に取り返したという。 署員2人は、児相から「子供の保護に納得しない関係者が暴れている」との110番を受け、駆けつけていた。現場には当時、女ら5人の他に、保護対象の子供の親ら4人がおり、同署が詳しい経緯を調べている。
12日午後8時20分頃、大分県臼杵市臼杵で、「臼杵祇園まつり」に参加していた近くの介護職員河村辰彦さん(54)が山車にひかれた。河村さんは意識不明の重体で病院に搬送され、約4時間半後、出血性ショックで死亡した。 県警臼杵津久見署や祭りの実行委員会によると、当時は山車が速度を上げて疾走する「辻出会い」の最中で、進行を指揮する「宰領(さいりょう)」の河村さんが山車の前で転倒し、ひかれたとみられる。山車は、高さ約5メートル、長さ約8メートル、幅約2メートル。事故当時は16人が乗っており、重さは数トンに上るという。 臼杵祇園まつりは、江戸時代から続くとされ、県の無形民俗文化財に指定されている。実行委は13日午前、20日までのまつり期間中、山車の参加を自粛し、子ども神輿(みこし)などの中止を決めた。
淡路島で研修に参加している韓国の若者「日本で就職したい」と夢を語るイさん(左)とソンさん 総合人材サービス「パソナグループ」(東京)が、兵庫県の淡路島で韓国の若年層を対象にした就労支援事業をスタートさせた。島内では飲食店や娯楽施設などを運営しているが、パソナの事業の大きな柱である人材育成にも力を入れる方針。韓国は就職難のために外国での就労を目指す若者がいる一方、日本では人材不足の業界もあることから「国境を越えて社会の問題点を解決していきたい」としている。(清水裕) パソナは、韓国のメガバンクや大学などが共同で実施している人材育成事業について、日本での運営を受託した。5~6月、情報技術(IT)に関するスキルや日本語能力を身につける「韓国IT人材就労支援プロジェクト~職は日本にあり」と題した研修プログラムを行っている。 韓国の4年制大学を卒業した22~35歳の48人が参加。ビジネスの場面で役立
いじめを放置した教職員を懲戒処分の対象とすると明記した議員立法「いじめ防止対策推進法改正案」が、28日召集の通常国会に提出される。与野党の賛成多数で可決、成立する見通しだ。 改正案は、自民、公明、立憲民主、共産各党など超党派による「いじめ防止対策推進法に関する勉強会」(座長=馳浩・元文部科学相)が近く取りまとめる。いじめ防止の強化、徹底が最大の狙いだ。 条文の素案では、いじめ防止対策を「学習指導等と等しく重要な事務」と明記。いじめ防止を教職員の義務と位置付けた。現行でも、いじめをめぐり教職員の悪質な対応があれば、教育委員会などが認定し、地方公務員法に基づき処分している。いじめの放置や助長などが処分対象になると明示することで、「いじめ問題に関心が薄いケースが多い」との指摘もある教職員の意識改革を促す狙いがある。 いじめによる自殺など重大事態が起きた際、被害者側が、自治体の首長に調査の申し立て
堺市で昨年7月、あおり運転で車をバイクに追突させ、男子大学生を死亡させたとして殺人罪に問われた無職中村精寛(あきひろ)被告(40)(堺市南区)の裁判員裁判の初公判が15日、大阪地裁堺支部であり、中村被告は「故意に追突させたことはない」と殺意を否認した。 起訴状では、被告は昨年7月2日夜、堺市南区の大阪府道で乗用車を運転中、堺市西区の大学4年高田拓海さん(22)運転のバイクに追い抜かれたことに立腹して追跡。高田さんが死ぬかもしれないと認識しながら時速96~97キロで追突し転倒させ、殺害したとされる。 被告は罪状認否で「被害者を死亡させたのは事実だが、腹を立て、追いかけ回したことはない」と述べた。 冒頭陳述で検察側は、被告が自車の前を走る高田さんのバイクに対し、前照灯をハイビームにしてクラクションを鳴らし、時速約70キロで走行したと説明。バイクが別車線に移ると被告も車線変更し、時速約100キロ
【ソウル=岡部雄二郎】韓国国防省は28日夜に声明を発表し、政府間で協議を続けているさなかに防衛省が映像公開に踏み切ったとして、「深い憂慮と遺憾」の意を表明した。 声明は、韓国海軍の駆逐艦による火器管制レーダーの照射を改めて否定した上で、「映像は単純に、日本の哨戒機が海上で旋回する場面とパイロットの会話の場面だけを収めたものだ。火器管制レーダーを照射したとの日本側の主張の客観的証拠と見ることは常識的に難しい」と反論した。 韓国軍関係者も記者団に、「日本側はレーダーを照射されたと言いながら、周波数の特性を一つも公開していない」と述べ、証拠は不十分との認識を示した。むしろ海上自衛隊のP1哨戒機が駆逐艦の上空150メートルまで接近するなど、韓国側に「相当な脅威」を与えていたと主張した。 日韓関係筋によると、韓国側は当初、レーダー照射問題を公表しないよう日本政府に要請した。日本側が受け入れず、積極的
西武新宿駅(東京都新宿区)で27日、急病人や不審者、不審物を見つける最新の警備ロボット「ペルセウスボット」の性能実験が行われ、報道陣に公開された。 ロボットは高さ約1メートル67で、最高速度は時速3・7キロ。利用客が急に倒れたり、暴れたりするなど通常と異なる動きをした場合に搭載カメラで検知すると、そばまで駆けつけ、位置情報や現場写真を駅係員のスマートフォンに送る。 この日、ロボットは駅コンコースを「ジュンカイケイビチュウデス」と音声を発しながら動き回り、急病人役の男性がしゃがみ込む様子を確認すると駆け寄って駅係員に報告した。名称はギリシャ神話の英雄「ペルセウス」にちなんだもので、西武鉄道の担当者は「利用客を守る力強い存在になるのでは」と話す。 同社は実験を30日まで行い、働きぶりを検証した上で正式に導入するかどうかを決める。
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