ブルーのケースに入った「城の崎にて」と「注釈・城の崎にて」新たな「城の崎にて」について発表する関係者ら=東京都渋谷区 兵庫県豊岡市を全国発信しようと東京・渋谷の複合商業施設で市が開いている「豊岡エキシビション」で29日、城崎温泉を代表する小説「城の崎にて」の新バージョン2種類が発表された。城崎を舞台にした新小説を作家の万城目(まきめ)学さんに依頼して来春に出版。志賀直哉(1883〜1971)の原作に注釈付きの分冊を収めた手のひらサイズの本はこの日から発売を始めた。 志賀直哉がけがの療養のため城崎温泉を初めて訪れたのは1913(大正2)年。それから100年にあたるのを機に、同温泉の若手経営者らが5月にNPO法人「本と温泉」をつくり、東京の出版関係者らと本づくりを検討していた。 平成版「城の崎にて」とも言える短編を依頼された万城目さんは、「鴨川ホルモー」や「プリンセス・トヨトミ」など近畿