先進国の労働者たちは実によく働き、よく生産し、よく消費し、よく排出してきた。その結果、気候変動との戦いはいよいよ厳しさを増してきている……。この危機を人類が乗り越えるため、英紙「フィナンシャル・タイムズ」のコラムニスト、サイモン・クーパーは「週4日労働」を提案する。 「気候変動を食い止めるため」と、人々に生活を変えるよう訴えかける文句はいつもひどい。 「飛行機に乗るな」、「車を運転するな」、「衣服やコーヒー、休暇などにお金を使うな」。「そうすれば100年後の地球は、人が住めなくなるほどにはならないかもしれない」。そう言っているも同然だ。これではウケが悪いのも無理はない。苦行は誰も好まないものである。 有権者の生活が少しでも不便になるやいなや(エネルギー価格が高騰しているいまはまさにそうだ)、政府は気候変動対策を放り投げ、地球を温め続けようと躍起になる。政治家は国内総生産(GDP)を毎年増や