スウィフト著『ガリヴァー旅行記』―ラグナグ国の「不死人間」― 高橋正雄 「ロビンソン・クルーソー」に遅れること7年の1726年に発表された『ガリヴァー旅行記』(注1)の第3篇には、空飛ぶ島ラピュータや日本への渡航記とともに、ラグナグ国の記録が収められているが、この国でガリヴァーが遭遇する「不死人間」には、痴呆性老人を思わせる特徴がある。 ラグナグ国を訪れたガリヴァーは、この国では稀に、決して死ぬことのない「不死人間」が生まれると聞かされる。そして、ガリヴァーは、彼らこそ人類共通の願いである不老不死の願いを叶えた「世界に例のない幸福な人々」だと、羨ましく思うのである。 ところが、日頃「不死人間」の姿を、見せつけられているラグナグ国の人々は、この「不死人間」を軽蔑し、むしろ憎んでさえいると言う。怪訝に思ったガリヴァーが、その理由を尋ねると、ラグナグ国の人々は、問題は「老齢ともなれば必ずつき纏う
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