デジタル資料の長期保存にCD・DVDを用いることのリスク 1990年代初頭以後,文書館・図書館・博物館などは,所蔵資料をデジタル形式で長期保存するための媒体として,主にCD・DVDを用いてきた。ところが2000年前後,ハードディスクやそのバックアップ用磁気テープなどの保存媒体が高速化・低価格化し始めたのとほぼ同時期に,CD・DVDの信頼性に対する懸念が出始めた。 このような中で,ユネスコの「世界の記憶」(CA918参照)プロジェクトの技術小委員会も,この懸念を最小化するための媒体および記録/再生装置の選択方法や記録・検証の手順を明確にするため,2006年6月,CD・DVDの信頼性に関する文書を公表した。この文書では,媒体の規格や記録方式(追記の可/否,片面/両面,一層式/二層式など),記録/再生時における媒体と装置との互換性など,CD・DVDの種類と特性を紹介した上で,媒体の選択,データの