世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する政府の解散命令請求方針を受け、教団の問題を長年追及してきたジャーナリストの鈴木エイト氏に今後の懸念などについて聞いた。【聞き手・青木英一】 宗教法人法に財産保全の条項なく 解散命令が裁判で確定するまでに数年はかかるだろう。東京地裁による解散命令が出た段階で、おそらく教団側は東京高裁に即時抗告し、執行停止の効力を有することになる。その後、最終的には特別抗告という形で(最高裁まで)抵抗すると思うが、東京高裁の解散命令が出た時点で清算人が選任されて教団側の資産を差し押さえ、名乗り出た債権者に分配されることになる。 ここで最も懸念されるのは、宗教法人法に財産保全の条項がないことだ。法令により財産を保全できれば多くの被害者への賠償などに充てられるが、解散命令の妥当性を司法で争っている間に関連団体や個人、韓国など海外に資産が移される恐れがある。これでは被害者に