北海道函館市にほど近い、八雲町。 養殖漁業が盛んに営まれ、漁獲金額の7割をホタテガイが占める「ホタテの町」だ。 昭和50年代後半には年間8万トンものホタテガイが水揚げされていたが、そこから発生する4万トンの「貝殻」の廃棄処分が当時、深刻な問題となっていた。近隣の山に埋められていた貝殻が、地下を汚染してしまうことがわかったのだ。 今回取り上げる小杉直司さんは「地元に貢献できる事業がしたい」と考え、昭和59年に「ホクエイ」を設立。「ホタテ貝殻」を活用したリサイクル事業を開始した。 1トン当たり約1万円の処分費用が掛かる貝殻を無料で引き取り、貝殻を原料にした「肥料&土壌改良剤」「洗濯用洗剤」「入浴温水除菌剤」「ハミガキ」などを次々に開発。 地元の厄介者だった貝殻を、文字通り「宝の山」に変えた。 「リサイクル製品」というと、一般的には「環境にいいけど割高」「環境保全に貢献するために購入する」という