街を散歩していると、閉じているのがあたりまえのシャッターが、申し訳なさそうに開いているのを見つけた。車での移動が当たりまえになっているこの街で、散歩をするのは本当に久しぶりのことだったけれど、そのシャッターが開いているというのは僕にとって思いがけないことだった。シャッターを収納する袋の部分に、NEO GEO clubと鮮やかなブルーで描かれている入口は、そのゲームセンターが2000年をちょっと過ぎた頃くらいに閉店してからもずっと残っていた。僕が東京に出て、時折帰省した時に側を通りかかったときも、13年間の東京暮らしを終えて徳島に帰ってきてからも閉じたままだった。小物屋か飲食店か、いつか新しい店が入るのかもしれないと思っていたけれど、その店の閉店から二十年近くが経っても、そのブルーが映えるシャッターは固く閉じられたままだった。 しかしこの日は違った。開かずのシャッターが、全開とはいかないまで