気がつけばアニメ/声優勢の、jpop界に於ける幅の利かせかたといったら、もうものすごいものにもなっている訳で、私などのような疎い人間からすると、なにかいわゆるアイドルとも違う、また自作自演のシンガー/ソングライターたちとも違う、そこには独特に一貫したアイデンティティのあるのやらないのやら、どこかモヤモヤとした気分でジャンルを一括りにして眺めてしまっているところもある。以前、上坂すみれを取り上げた回でも書いたが、結局は、その本質とは地味な仕事――そもそも、かつて声優とは劇団員のバイト的な様相も強くみられ、そんな関係で、今のようには世間に姿を晒さぬ匿名的な職場だった――だという“ひかえめな自意識”を持つ、いい換えれば“アルチザン的体質”というものに集約される部分は、あるのやもしれぬ。 いずれにせよ、少なくとも、アイドルを目指すのと声優を目指すのとでは、微妙にだが、動機は異なるようにも思える。