くらげ漫画賞ネーム部門佳作受賞。 「公開前、ピアノ奏者の友人に十年越しのLINEをした。私は怖かった、もしピアノを辞めていたら、と 返信は来た、昔の様に毒舌な冗談を交えて 『続けてる、手放す気はない』 挫折した人の話をした。先輩や同期、少しずつ去って行った彼らの話を 辞めなかった君がいかに凄いか しかし、彼は一蹴した 『誰も辞めろと言わなかった、なら俺が続ける限り奏者だ、それの何が凄いんだ?』 私は思わず笑った そうだ、そういう奴だった 変わらず、凛とした気高い牡鹿のような奴だった 今作はそんな思い出が原体験かもしれない」 令和5年11月14日 檜原粗相