ミネラルを多く含む硬水を噴霧するとカルシウムイオンが減って軟水に近づくことを、岐阜大学教育学部の久保和弘教授(栄養学)と水回り部品を製造する企業TKS(本社岐阜市)のグループが明らかにした。今後数年、硬水を産出する地域が広がる北米の展示会に、霧をつくるノズルのプロトタイプを出品するなどして需要がどこまであるかを探り、実用化の可否を判断したい考えという。 日本の水はほとんどが軟水だが、欧米やアジアでは硬水が多い。洗剤・石けんの泡立ちが悪い、配管内に無機質の垢(あか)がたまって詰まりやすくなる、過剰摂取すると健康リスクが高まるといった不都合がある。このため硬水地域では、アルカリ剤を投入したり膜で濾過したりして軟水に近づけることがある。 久保教授らは以前から、ノズルから噴霧する水に含まれる微細な泡について研究しており、硬水で実験すると白い析出物ができることに気がついた。硬水を加熱して(エネルギー