おくんち祭の熱気が冷めやらぬ長崎の夜だった。諏訪神社にほど近い居酒屋では、常連客たちが臨時ニュースに顔を真っ赤にして興奮していた。「ノーベル賞たい。チョーダイのシモムラ先生がとりなさった。すごかねえ」。チョーダイとは長大(長崎大学)、シモムラ先生とはその年のノーベル化学賞に輝いた、長崎大ゆかりの下村脩博士である。 近年、日本のノーベル賞受賞実績が目覚ましい。世界的にも高水準でアジアではぶっちぎりである。だが、今後もこのレベルを維持できるか、については受賞者の口からも危惧感が漏れる。基礎研究を得意とする国立大学法人を取り巻く状況が厳しく、長期的視野が不可欠の基礎科学分野が伸び悩んでいくのではないか。国際レベルのジャーナルなどに掲載・引用される日本人の論文は減少傾向にあるし、中国やインドなどの若手研究者の存在感が高まっている。いずれ、ノーベル賞大国の座をほかのアジアに明け渡す日が来るのではない
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