2014年9月27日 午前11時52分。紅葉シーズンを迎えた御嶽山は、突如激しい噴煙を立ち昇らせ噴火した。あれから10年――。 「あの日がなければ、再びここに来ることもなかったと思う。」あの日、山頂で噴火に巻き込まれながら生還した男性。噴火後も御嶽山麓に足を運び続け、自分にできることを問い続けてきた。10年目の今年、ともに訪れ命を落とした同僚を偲び、再び頂を目指す。月日とともに世間の記憶が薄れていく中で、あの災害の教訓を、仲間たちのことを「決して忘れない」と誓いを新たにする。 最愛の夫を亡くした女性。深い悲しみの中で、2人の思い出の場所を巡り、そして夫の最期の場所を目指すことで、少しずつ前を向いてきた。「あの人は本当に生きていたんだな。」 山頂近くの山小屋で働く男性は、初めて経験する噴火の恐怖と立ち向かい、登山者の避難誘導に当たった。安全で、再びにぎわう御嶽山を目指して、再出発した山小屋で