南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! いや、ホント、ワルってのは手ごわいもんです。 なんのことかといえば、創作上でのこと。物語を生み出すには、とにもかくにもキャラクターを作らんといかんのだが、私個人の話でいえば、もっとも知恵と創意工夫が求められるのは、主役よりも悪役の造形だったりする。名作と呼ばれる娯楽作品には、必ずといっていいほど、魅力的な悪役がいるからだ。 アメリカのプロレスでは、善玉(ベビーフェイス)と悪玉(ヒール)のレスラーがぶつかり合うけれど、昔は二枚目のベビーフェイスよりも、観客をカンカンに怒らせるヒールのほうが、ギャラを多くもらっていたという。憎いヒールがぶちのめされるのを見たくて、観客はお金を払って会場に駆けつけたのだ。プロレス界の偉人・ジャイアント馬場も、アメリカで