日本政府が推進する“原発輸出”が行き詰まりを見せています。日立製作所がイギリスでの原発建設計画を凍結することを決定するなど、海外で進めてきた原発輸出の計画が相次いで頓挫しています。政府が推進してきた原発輸出がなぜ、今、見直しを迫られているのか、背景を探ります。(経済部記者 大川祐一郎) 年が明けたばかりの1月17日。日立が緊急の記者会見を開き、イギリスの中部・アングルシー島で進めてきた原発の建設事業の凍結を発表しました。安全対策などのコストが膨らみ、事業費が3兆円規模に増加する一方、資金面で支援を求めてきたイギリス政府との調整が長期化して、採算性が見通せないことが理由でした。これに伴い、日立は3000億円の損失を計上。日立の東原社長は「将来にリスクを持ち越さないために決断した」と述べました。 政府は、原発輸出を成長戦略の柱の1つとし、日本企業のビジネス拡大につなげる方針を打ち出しました。エ