幕末。それは260年の徳川幕府が終わりを迎える時代。1867年には徳川が政権を天皇に返還し、歴史的な大革命(大政奉還)が起きた年でもある。 そして、この出来事で忘れてならぬ人物といえば「坂本龍馬」ではないだろうか。 倒幕を決意し、明治維新の引き金となる「薩長同盟」を取り持った男。 しかし当初、薩摩藩と長州藩は犬猿の仲だったため、スムーズに同盟が成立しなかった。 龍馬おらずして成しえなかったと言われるほど倒幕の立役者である。 はたして龍馬は、どのようにして薩摩と長州の仲を取り持ったのだろうか。 そこで今回は、薩長同盟の重要な場面を切り取り、「心を動かす説得術」を龍馬から学んでみたいと思う。 【説得の心得その1】できない理由を探る 薩摩と長州の因縁は一言では語れない。 勢力争いに始まり八月十八日の政変、池田屋事件や蛤御門の戦いなど、互いが目の敵になる出来事が複雑に絡み合っていた。 そんな状況下