今月16日の岳南鉄道(富士市)の貨物輸送終了を前に、貨物駅でもある比奈駅(富士市比奈)で10日、貨物列車の惜別イベントが開かれた。雨の中、県内外から約500人のファンが訪れ、製紙の街・富士市を長年支えてきた貨物列車の引退を惜しんだ。 注目されたのは60年以上にわたり貨車を牽引(けんいん)してきた電気機関車「ED42形」の運転体験。8人の定員に県内や東京、中京圏などからも応募者があった。 運転に先立ち、比奈駅構内で現役運転士の山田健さんから機関車の構造などについて説明を受けた。運転士とともに一人ずつ機関車に乗り込み、運転席で本物のブレーキレバーや変速機に触れた後、時速10キロ・メートル前後で200メートルの距離を2往復した。 三重県菰野町から参加した粂内宏文さん(45)は、「必死で運転していたらあっという間だった。機関車の維持は大変だと思うが、何とか残せる道があるといい」と満足そうに話してい