2006年10月に開催されたFall MicroProcessor Forumにおいて、富士通の井上氏が同社のSPARC64 VIプロセサについて発表を行った。その発表には、マイクロプロセサ内部の動作に関する貴重な情報が含まれており、この発表資料を基に、現在のハイエンドマイクロプロセサはどのように動いているのかを見てみたいと思う。 まず、SPARC64 VIであるが、名前の示す通り、SPARC64シリーズの第6世代目のプロセサである。因みに初代のSPARC64は、1994年に富士通の子会社であったHAL Computer Systems社から発表されており、SunのUltraSPARCシリーズの発表とほぼ同時期である。あまり知られていないが、富士通は、SPARCという共通の命令仕様を使いながら、10年以上にわたってSunとは独立にSPARCマイクロプロセサを開発してきたと言う歴史をもっ