1月20日の大統領就任演説以降、当サイトにもオバマ関連の記事がたくさん上がっていてフィーバー状態だが、ほんの4、5年前まで、バラク・オバマは、アメリカ本国でもほとんど無名にちかい存在だったというのを思い出すとなかなか愕然とする。いや、だからこそのフィーバーという面もあるのだろうけど。 さて、今回取り上げる本書は、昨年11月にブームに先駆けるように発売された一冊だが、オバマ現象の分析として、これに勝る新書はまだ出ていないと思う。 著者の渡辺将人は、オバマを大統領候補に担ぎ上げたジャニス・シャコウスキー下院議員のスタッフを務めたり、アル・ゴアの大統領選では集票を担当したこともある人物。オバマが講師をしていたころのシカゴ大学に学び、オバマの大統領選にも参与していた。そういった、アメリカの政治を肌で知る立場から、オバマ現象の“意味”と“メカニズム”を分析したのが本書だ。 大きく2部に分けられる。前