過日。家路に向かう電車。すこし混み合っていた。そこへ、ベビーカーを利用した親子が乗車してきた。子どもはおそらく生後2年に満たない、まだ稚い嬰児だった。私はふくざつな思いを胸裡にいだいた。 「こんな混み合う時間にベビーカーを利用するなんて、のっぴきならぬ事情があったのだろう 」と人の親である私は思った。しかし一方で「ちょっとどうかと思う」とも思った。一事が万事と言う。100人のうち1人でも満員電車にベビーカーを利用すると、世間から子育て世代が非難をあびるので避けたほうが良い。と思った。抱っこ紐を使っている人口のほうが多いのに。 そして私は、保護者とおぼしき女性の対応に違和を感じた。 2歳児くらいなんていまだに人ならず、獣性のほうが強い。法や秩序などわからぬうえに、言葉もまだ判然と理解できないでいる。そんな2歳児にひどく癇癪をおこし、当たりが強かったのだ。すこし愚図るだけで「静かにしなさい!」