(英エコノミスト誌 2013年9月7日号) イランの新大統領は国内外で瀬踏みしている。 保守穏健派のハサン・ロウハニ師が大統領に就任し、イラン政府の趣は大きく変わった〔AFPBB News〕 ハサン・ロウハニ師は1カ月前に大統領に就任して以来、病んだイラン経済を立て直すための第一歩を踏み出している。 ポピュリストだったマフムード・アハマディネジャド前大統領が政権を握っていた8年間に、原油価格は2倍に高騰したが、その棚ボタ式の利益は安い輸入品と低利融資に散財された。 国内の生産者は叩きのめされ、インフレ率は失業率と並んで跳ね上がり、一般市民は以前よりはるかに貧しくなった。ロウハニ大統領が衰退を反転させようと躍起になっているのは一目瞭然だ。 改革派の実務型内閣 ロウハニ師はまず、実務家から成る内閣を発足させた。その大半は、改革志向だったアクバル・ハシェミ・ラフサンジャニ(1989~97年)、モ