(英エコノミスト誌 2013年11月23日号) フィリピンを襲った恐ろしい災禍は、政治的、外交的なダメージも与えている。 11月8日に台風ハイヤンがフィリピンにもたらした苦しみと惨状は、日を追うごとひどく見え、救援や復旧作業、復興にかかる費用は膨らむ一方だ。 これまでにおよそ4000人の死亡が確認された。1200人以上がなお行方不明で、負傷者は1万8000人を超え、直接的な被害を受けた人は1100万人に上る。 国連が当初呼びかけた3億ドルの緊急支援は、既にそれでは足りないと言われている。大規模な緊急援助が展開されているものの、ペースが遅く、無秩序で公正さに欠けると批判されている。 自然災害は多くの場合、重大な政治的影響をもたらす。壊滅的な被害をもたらした2004年の大津波は、復興を巡る諍いを招き、スリランカ政府と「タミル・イーラム解放のトラ」との対立を激化させただけだった。だが、同じ津波は