安倍晋三首相は大喜びしているようには見えなかったし、特に安堵しているような様子でもなかった。 実際、14日の夜遅く、安倍氏がさらに4年間、世界第3位の経済大国の政権運営を確実にしたことが出口調査で判明した数時間後にテレビ番組に出演した際、その口調は控えめだった。 「この2年間の安倍政権の信任をいただいたと思っている。だからと言って慢心してはならない」と安倍氏は述べた。 戦後最低の投票率と減りゆく得票数での「勝利」 多少の謙虚さは、恐らく必要だったのだろう。安倍氏率いる自民党が2年前の総選挙で大勝して政権に返り咲いた時、小選挙区での得票数は、勢いに乗った民主党と戦った2009年の総選挙での得票数より約170万票少なかった。 今回、自民党が獲得した有権者の支持は、2012年当時よりも少なかった。自民党の得票率は安定的に推移すると見られていたが、投票率が過去最低に落ち込み、前回の59.3%から約