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2011年9月5日のブックマーク (3件)

  • 日本の政治:また新首相が誕生

    (英エコノミスト誌 2011年9月3日号) 政治体制を悩ます問題は1人の人間には荷が重いが、野田佳彦新首相は第一歩を踏み出すことができる。 また1年経ち、また首相が代わることになった。野田佳彦氏は、ライオンのたてがみのような髪型の小泉純一郎元首相が2006年に退任して以降、6人目の首相に就いた。 小泉元首相の輝かしい5年間は、今や黄金時代のように見える。その後、日政治は機能不全に陥った。各党は内部分裂を起こし、凡庸な指導者が続き、有権者は混乱し幻滅した。 野田首相は型破りな指導者にはならないだろう。人自ら、恰幅の良いルックスを水底で暮らすドジョウに例えて、自身の平凡さを認めている。元首相の1人として片付けられる前に、少なくとも野田氏は、良い意味で自嘲的なウィットを持っていると言える。 野田新首相の資質 新首相の別の資質にも触れておくべきだろう。財務相を務めた野田首相は、日のはまり込

  • 英国経済、1930年代をも上回る恐慌に 回避する術は本当にないのか?

    現在の英国の恐慌(ディプレッション)は、少なくとも第1次世界大戦以降では最長となる。成長率が劇的に上昇しなければ、「大恐慌」を上回る国内総生産(GDP)の累積損失を生む可能性も高い。それだけでも十分に憂慮すべき事態だ。 それ以上に気がかりなのは、そうした予想を変える術はほとんどないという、ほぼ普遍的な見解である。 景気後退は経済が縮小する期間だ(リセッションの語源は「後退」を意味するラテン語)。これに対して恐慌は、GDPが当初の水準を下回っている期間と定義できるかもしれない。 最近、3人の研究者がGDPの月次試算データを使って、こうした定義に基づく英国の恐慌を分析した*1。現在イングランド銀行の金融政策委員会の委員を務めるマーティン・ウィール氏ら論文の筆者3人はこれで、1920~24年の恐慌に始まり、現在の恐慌に至るまでの英国の恐慌の規模と継続期間を分析することができた。 過去1世紀で最も

  • 「9.11」は世界を変えたのか?

    米国は11日、2001年9月11日の同時多発テロから10年を迎える(写真は崩壊した世界貿易センタービル)〔AFPBB News〕 10年前のニューヨークとワシントンへのテロ攻撃以来、ほとんどあらゆるものが変わってしまった。地政学的および経済的な風景の輪郭は描き直された。興味深いことは、こうした変化がごくわずかしか「9.11」に起因していないことだ。 過去10年間の激動の後では、これは直感に反するように思えるだろう。米国は、アフガニスタンとイラクで戦争を始めた。暴力的なイスラム主義は、米国の世界観を一変させ、世界の米国観を一変させた。 ジョージ・ブッシュ前大統領の「テロとの戦い」のために、すべてが静止した――あるいは、そのように見えた。アルカイダは今も存在する。グアンタナモ収容所も然りだ。 多国間主義が失われた瞬間 筆者は2003年春にワシントンを訪れた時、ある米国政府高官がイラク侵攻がいか