(2011年10月5日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ユーロ圏が飛び立った時、その飛行機は片翼で、もう片方は祈りが支えていた。翼は折れ、祈りは神々に聞き届けられなかった。誰もが墜落を避けることに注意を集中している。だが、どうやったら安全に飛べるか考えることも、同じくらい大切だ。 そもそも、ユーロ圏はどうしてこのような苦境に陥ったのか? その答えの一部は、危機に対処する仕組みが欠けていたことであり、加盟国間の相違が大きくなったことであり、初期の成功におごったことだった。 ユーロ圏が今の窮状に陥った理由 最初の10年は融資が受けやすく、金利も低かったため、アイルランドとスペインで不動産バブルが起き、民間の借り入れが急増した。 ギリシャでは公的な借り入れの歯止めが利かなくなり、ギリシャとイタリア、スペインは対外的な競争力を失い、ギリシャとポルトガル、スペインは巨額の対外赤字を出すようになった