(2012年10月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 英国が欧州連合(EU)から離脱するという話は、近隣諸国の束縛から逃れるのに悪戦苦闘している誇り高き島国の物語として語られることが多い。 だが、政治力学は変わりつつある。デビッド・キャメロン首相率いる英政権がユーロ危機から生まれた統合の深化を敬遠している中で、英国側の「引く力」が大陸側の「押す力」によって強められているのだ。 先のEU首脳会議に出席した欧州の指導者たちにとっては、別のことが頭にある。ギリシャ、スペイン、銀行同盟などだ。ユーロの未来はまだ保証されたわけではない。 キャメロン首相は傍観者の役割を選択している。にもかかわらず、協議の結果は、ことによると英国のEU脱退に向けた重要な一押しを与えるかもしれない。 キャメロン首相は、再交渉された条件の下とはいえ、今もまだEU加盟を支持していると主張している。 キャメロン首相は先日