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2012年10月30日のブックマーク (6件)

  • 財政再建と景気回復:近道はない

    (英エコノミスト誌 2012年10月27日号) 深刻な危機の直後に短期的な緊縮財政を実施すれば、予想以上の痛みを伴う恐れがある。 映画で言えば、これは最もありきたりの展開の1つだ。ヒーローが敵を1人倒し、別の敵に注意を向けると、実は最初の敵がまだ生きており、反撃を企てているのだ。 2年前、先進国は世界的な景気後退は終わったと考えていた。一連の財政、金融面での景気刺激策の前に退散したと思っていたのだ。政策立案者は景気後退の問題に背を向け、刺激策の結果残された政府債務の処理に着手した。 2011年と2012年の2年間で、先進国の構造的財政赤字は国内総生産(GDP)比0.75%ほど削減される見込みだ。2013年にはさらにペースが上がると予測されている。しかし、経済を覆う闇はまだ消えていない。それどころか、財政再建によって闇はさらに深まったように見える。 支払い能力に対する不安に駆り立てられて、景

  • 財政の崖に突き進む米議会に産業界が待った

    (2012年10月29日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) まるで映画「理由なき反抗」のジェームス・ディーンとコリー・アレンのように――先におじけづくのはそっちだと言いながら――、米議会の共和党議員と民主党議員が「財政の崖」に向かって突き進む中、米国の企業経営者がブレーキを踏もうとしている。 彼らがどんどん近づきつつある「崖」は、2つの出来事が重なる経済的に危険な事態だ。つまり、ジョージ・ブッシュ前大統領の下で制定された減税の失効と、米国の連邦債務の法的上限を引き上げる取り決めの一環として合意された公共支出の削減だ。議会がこれを回避する計画に合意できない限り、どちらも1月初めに実施される。 チキンレースに危機感募らすCEO だが、政治家が方向性を巡って揉める一方、マイクロソフトやUPS、JPモルガン・チェース、ゼネラル・エレクトリック(GE)といった企業の経営者を含む80人以上のCEO(最

  • 松葉杖を手にしたが、完治にはほど遠いユーロ圏

    (2012年10月29日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ユーロ圏の危機の急性期は明らかに終わった。今のところはそう言える。銀行間市場には正常化の兆しがいくつか見受けられる。国債間のスプレッド(利回り格差)も縮小した。イタリアもスペインも、来年までの財政赤字を埋める資金を何とか調達できるだろう。 欧州中央銀行(ECB)の長期資金供給オペ(LTRO)は銀行を支えている。新たに導入された「アウトライト・マネタリー・トランザクション(OMT)」プログラムは、仮に発動されることがあれば、ユーロ加盟国政府を下支えするだろう。 流動性の危機か、支払い能力の危機か? 政府と銀行が共倒れになりかねない様子は、酒場で互いの身体を支え合う2人の酔っぱらいのようだったが、ECBはこの2人に別々の松葉づえを手渡した格好だ。 おかげで今ではどちらも歩けるようになっている。しかし、これをもって危機は去ったと言えるの

    oyoyom
    oyoyom 2012/10/30
  • 日本国債の回転木馬に現れた亀裂

    (2012年10月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ふと立ち止まって考えると、日の政府債務はかなり恐ろしいものだ。1000兆円を超える政府の債務と保証債務の残高は、国民1人当たり約800万円にもなる。 しかも、国内総生産(GDP)比235%に相当する残高は増え続けている。過去4年間、財務省は毎年、税収よりも多くの金額を国債発行で集めてきた。恐らく来年度もそうするだろう。 ディーラー側が財務省に要請した異例の会合 政府が物事をうまく回し続ける方法は、誰も立ち止まってこの状況について考えないようにすることだ。すべての国債入札は毎回、財務省が実施されると言った時に必ず行われる。2~3カ月に1度、国債の発行で入札を義務付けられている有力債券ディーラー25社が財務省に招かれ、どうすれば発行プロセスを円滑に進められるか話し合う。 だが今回は、ディーラー側が自分の方から押しかけてきた*1。これ

  • 習近平:中国を変えねばならない男

    (英エコノミスト誌 2012年10月27日号) まもなく中国の次期国家主席に習近平氏が指名される。習氏に必要なのは、過去と決別する覚悟だ。 11月8日から北京で開催される中国共産党の第18回党大会の直後には、ダークスーツに身を包んだ男性たちと恐らく1人の女性からなる短い列が人民大会堂の一室の赤じゅうたんの上に並び、世界中のメディアの前に登場するはずだ。 その先頭に立つのが、新しく党総書記に指名されたばかりの習近平氏だ。来年3月には、国家主席の座も引き継ぐことになる。 習氏の後ろに続くのは、中国の最高統治機関である共産党政治局常務委員会の新メンバーたちだ。その顔には硬い笑みがはりつき、背筋はまっすぐに伸びているだろう。だが、その記者会見の演出は、実際に国を統治する嵐のような不確実性とは似ても似つかない。 世界の新しい経済大国の指導者として、習氏は比較的最近の前任者たちと同じように、経済力と政

  • ユーロ危機でフィンランドの「並行通貨」に現実味?

    ここ数年、ユーロ圏の危機が次々展開する中で、世界の投資家はユーロ圏の端に位置する小国ギリシャに釘付けになってきた。投資家はもう1つの小国から目を離さないようにした方がいいだろう。フィンランドである。 というのも、フィンランドはまさにユーロ圏屈指の強国であるがゆえに、あまりドラマを生んでこなかったが、現在、興味深い議論がいくつか繰り広げられているからだ。 中でも注目すべきは、ユーロ圏の危機がくすぶり続ける中で、一部のフィンランド企業や政府高官が内々に通貨同盟から離脱する手順を検討していることだ。 フィンランドでは、いつかは離脱があり得るにせよ、近く実現すると思っている人はいない。実際、大半の政策立案者は離脱という考えに断固反対している。 だが、フィンランド地方自治体保証機関(MGB)を率いるヘイッキ・ネイメライネン氏は「我々は離脱プロセスを始めるという意味ではなく、ユーロ離脱の仕組みについて

    oyoyom
    oyoyom 2012/10/30