バルト諸国でロシアによる軍事的挑発が急増し、ロシアが地域大国として力を振るおうとする中で、この地域がウクライナに続く次の開拓地になるのではないかと懸念している人々の神経を逆なでしている。 バルト諸国の領空警戒任務にあたる北大西洋条約機構(NATO)の戦闘機は今年に入り、リトアニアの国境沿いで68回緊急発進(スクランブル)した。過去十数年間で圧倒的に多い回数だ。 ラトビアは、ロシアの航空機の領空接近が確認され、危険な行動がないか監視された「きわどい事案」を150回記録した。エストニアは、今年5回、ロシアの航空機に領空を侵害されたと述べており、その数は昨年までの8年間の合計数7回に迫っている。 フィンランドは、過去10年間の年間平均が1~2回だったのに対し、今年は5回、領空を侵害された。一方、スウェーデンは先週、カール・ビルト外相が8年間の外相在任中で「最も深刻な領空侵犯」と呼んだ一件に見舞わ