たとえば大空を舞う鳥を見て、自由で、気持ちが良さそう、などと思う。それは人間の欺瞞である。鳥たちは別に、人間の定義した「自由」を感じて空を飛ぶわけではない。 飛ぶ鳥を見て自由を感じる人は、人間が空を飛べたらさぞかし気持ちが良いだろうなと、ただ自分のことを考えているにすぎないのだ。 人が犯す最大の誤ちは、感情移入ということのような気がしてならない。それは謙虚さと、想像力の欠如からくる。鳥の気持ちなどわからなくても、空を舞う鳥はそれだけで充分に美しいものだが、彼らがそのような種類の美に気づくことはなさそうだ。「鳥の気持ち」などというありもしないものを捏造して、それに自分の自由や夢や希望を重ね合わせている人は、鳥に感情移入することはできても、本当の鳥を想像することはできない。飛ぶこともない。 ☆ 鳥に、鳥自身が定義したわけでもない「自由」を背負わせ、空を飛ばせる自分勝手な馬鹿を、僕たちの社会は感
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く