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  • 〈特別公開〉旭川いじめ自殺と「いじめ後遺症」(斎藤環)

    ※『世界』2024年10月号収録の記事を特別公開します。 はじめに 2021年2月、旭川市立中学校2年生(当時)であった廣瀬爽彩(さあや)さんが、厳冬の最中にもかかわらず軽装のまま家を出て近所の公園で凍死し、およそ1ヵ月後に遺体で発見されるという痛ましい事件が起きた。彼女の置かれた状況から、自殺であったと推定されている。何よりもまず、廣瀬爽彩さんのご冥福を心よりお祈りしたい。 この事件を受けて、市教委の第三者委員会によるいじめ重大事態の調査がなされ、2022年9月、調査報告書が提出された。しかしこの報告書では、いじめと自殺との因果関係は「不明」とされていた。今津寛介市長は、遺族が調査報告書の内容に不満を抱いており、再調査を強く求めていることを踏まえ、あらたに旭川市いじめ問題再調査委員会(以下「同委員会」)を設置した。同委員会は教育評論家の尾木直樹氏を委員長として、弁護士、心理学者、精神科医

    〈特別公開〉旭川いじめ自殺と「いじめ後遺症」(斎藤環)
  • 〈特別公開〉警察腐敗 内部告発者はなぜ逮捕されたのか(青木理)

    ※『世界』2024年8月号収録の記事を特別公開します。 「鹿児島県警は芯から腐り切っている」 誤解を恐れずに評すれば、出来の悪い警察小説か警察ドラマの筋立てかと見紛うような、あまりにあからさまであまりに剝き出しの権力犯罪である。 だが、現実にそれは起きた。いや、現在進行形で起きている。そして一連の事態は、この国の警察組織や刑事司法の闇を照射し、同時にメディアやジャーナリズムの真価を根から問うてもいる。 福岡市の中心部にほど近い一角に佇む築40年を超える古びたマンション。すべての端緒を切り拓き、歪んだ捜査の標的にもされたネットメディアは、この一室に拠点を置いている。ほぼ一人で運営する小メディア『HUNTER(ハンター)』の主宰者は中願寺純則(64)。編集作業に使っているという六畳ほどの狭い部屋で私と向きあった中願寺は、常に背筋を伸ばしたまま淡々と、しかし静かな怒気を端々に滲ませて口を開いた

    〈特別公開〉警察腐敗 内部告発者はなぜ逮捕されたのか(青木理)
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