世の中には、ふしぎな魅力で人を惹きつける「数」や「図形」が存在します。なかでも古くから人類を魅惑し続けてきたのは「π」と「円」ではないでしょうか。そこには、どんな数学的な秘密が隠されているのか……話題の新刊『円周率πの世界——数学を進化させた「魅惑の数」のすべて』の内容を短期連載で紹介いたします。 五芒星とダビデの星 数学に登場する理論や公式、定理などは、必ずしも現実に役に立つとは限りません。ところが数字の「7」のように、役に立つかどうかとは関係なく、なにかふしぎな魅力で人を惹きつける数があります。 同じように、人間の関心を惹きつけるものの一つに、「形」、つまり図形があります。図形にもいろいろありますが、それらのなかに、なぜか私たちに神秘さを感じさせるものが含まれているのです。そのような図形は昔から、どこかふしぎな魅力を放つものとして、日常生活の身近なものや大切なものの形に使われてきました