今日、 僕の心に今も生きている大切な仲間の 誕生日。 彼女の誕生日だけ、僕は覚えてる。 彼女の鼓動が止まった日の日付けは、覚えていない。 なにも持たず、 ただ心細い学生の頃、 僕が彼女に「いっしょに劇団作りませんか」という電話をしたら、 彼女も僕に「いっしょに劇団作りたいの」という電話をしようとしていた時だった。 彼女は僕と同い年だったけれど、 いつも僕より落ち着いて深く物事を考えていた。 いつも僕にアドバイスをくれた。 どんな役にも挑戦していた。 自分で書いた台本を、僕に預けて演出させてくれた。 最初にカメラワーク演出を思いついたのも、 最初にマイムで風景を描く方法を作り出したのも、 彼女の台本を演出した時だった。 彼女は観客アンケートで自分の演技をけなされて泣いていた。 僕の知らない音楽を、沢山教えてくれた。 僕の知らない映画も、沢山教えてくれた。 劇団で辛いことがあっても、 彼女はい