富士市で10日に住宅や借家など4棟を全焼、倉庫1棟を半焼した火災は、出火元の借家に暮らす住人が夕食を調理中、知人の男に家に押し入られ、近所に助けを求めて逃げた間に発生したことが分かった。富士署は、台所の火を消さずに逃げた住人に火災の責任があるとして12日、重過失失火の疑いで、同市宇東川西町、派遣社員(46)を逮捕した。 逮捕容疑は10日午後7時ごろ、自宅の借家で油が入った鍋をガスコンロで加熱したままその場を離れ、火災を発生させた疑い。 同署は11日、容疑者宅に無断で侵入したとして、住居侵入の疑いで知人の男(40)も逮捕している。容疑者は出火直前にこの男と口論になったといい、同署の調べに「近所の家に助けを求めて逃げ出す際、コンロの火を消し忘れた」と話しているという。実況見分の結果、この供述通りに容疑者宅の台所付近が最も激しく燃えていたことから、同署は過失による失火と断定して逮捕した。