7月の私は、自分の体に訪れたつわりというものの余りのつらさに戦慄していた。 男が憎い。生理もなければつわりもない、精子を出すだけ、生きてる中で一番の快楽をしただけで子供が生まれてくるなんて、どんだけお得なんだろうか。 「夫の浮気は妻の妊娠中が一番多い」と聞くが、こんなつらい目に遭っている女の目を盗んで他の女体をまさぐることを楽しみ、しゃあしゃあと家に帰ってきて妊婦の体調を気遣ったりとか、そんな滑稽でひどいことがよくできるもんだし、「妊娠中の男の浮気」はいつの時代でもある伝統みたいな雰囲気によって世間でなんとなく許され続けていることも、本気で理解ができない。夫婦間の問題ってことになってるけど、人間倫理の話なのではないか? そんなことをする男は、冷ややかな目で見られたり、すれ違いざまに「クズ」と罵られてちょうどいいくらいだ! 全国にいる「妊娠中に浮気した男」のところへ行き、その男が運転する