JINSEI STORIES 滞仏日記「新型コロナ完全消毒術に続く秘策、不浄の手作戦」 Posted on 2020/04/07 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、英国のボリス・ジョンソン首相がICUに移された。人工呼吸器をつけたということで、ぼくは英国に住んでるわけじゃないが、ずっと彼のユニークな人柄と大胆な行動を追いかけてきた者の一人として心配している。各政権の中枢にいる政治家たちの感染が多いのは彼らが休むことなく対策に追われているからで、それだけ命がけで昼夜仕事をしているわけだから、我々よりはずっとリスクが高いということだ。マクロン大統領も感染爆発の町ミューリューズの最前線の病院を視察しそこから国民に向け力強いメッセージを送っていたが、大統領が感染したら国が動かなくなるので国民を安心させたくて強いリーダーシップを示したいのはわかるが、今は控えるべきじゃないだろうか。テロ現場に赴き、テロ