利用者がモバイル端末からRASサーバーにアクセスする経路はファイアウォールを介さない。したがって、ファイアウォールによる不正アクセス対策はRASサーバーへのアクセスには適用できない。 また、RASサーバーへの接続は公衆網経由で行うため、電話番号が分かればRASサーバーに誰でもアクセスすることができ、正規の利用者になりすまされてアクセスされる危険がある。RASサーバーにかける電話番号を部外者には秘密にしておき社員など正規の利用者だけに知らせるという方法を採っても不正アクセスを完全に防ぐことはできない。攻撃者は、総当り式で電話番号を順番に試していき、モデムの応答を識別してRASサーバーにかける電話番号を見つけることがある。この攻撃手法のことを、ウォーダイヤリング(War Dialing)と呼ぶ。 RASサーバーに一旦不正接続されてしまうと、RASサーバーから社内ネットワークへ不正侵入される危険